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腕時計を【グランドセイコー SBGW235】装用する理由

それらしい見た目の人が現れた時、我々の多くは同じような行動を取るのではないか?

みなさんなら、どうするだろう?

それらしい二人組が現れたバー「牛海」

以下より続き

nakaishu.hatenablog.com

には今、米津玄師の『サンタマリア』が流れている。


米津玄師 MV「サンタマリア」

”しとやかに重たい沈黙と優しさが

見開いた目と その目を繋いでいた” *1

同席の仲間と眼と眼を一瞬、合わせる。

”あなたは少し笑った”

いや、笑わない。 

”Oh サンタマリア 何も言わないさ

惑うだけの言葉で満たすくらいならば”

そう、まずは祈るのだ。

『サンタマリア』の歌詞のごとく、無言、で祈る。何をか。

彼らが近くの席に来ないことを。

二人のハゲが我々の前を通り過ぎた。

(セーフっ)

「はあ」

心の中でついたはずの嘆息が、バー「牛海」に降り掛かっていた静止と静寂の中に大きく響いたような気がして、ギョッとする。

「ハニーコム、このちょっぴりな甘さ、はああ」

木村みのるのわざとらしいため息に大柄なほうのハゲがこちらに一瞬、視線をよこした。

おいおい。木村。やめてくれ

「ああ、春、恋、よっちゃ・・・」

そんな木村を傍目に、我々の行動は次の段階へ移る。

はっきりさせたい。確定したい。そう、「それらしい」では困るのだ。

ビールを呷るふりをしてジョッキを掲げて顔を覆い隠しながら視線は鋭く追跡する。ああ、なんという僥倖、私達の場所からだと後ろ姿の彼らは無防備だ。

小柄なハゲのが見やすいな。

数える。

右側は5。よし、んじゃあ左。

4・・・か。

足して9。いや、足しても意味はない。

ああ、何という厄災。本物か。

もう帰ろう。最初からちょっとばかしの二次会の予定だったのだ。

 

 

GRAND SEIKO

グランドセイコー

SBGW235

500,000円+税

こちらは限定商品ではありません。

主なスペック

駆動方式:手巻き

ケース素材:ステンレススチール

ガラス素材:サファイガラス(表裏とも)

SBGW235

SBGW235

このシンプルさ。日付なしの手巻き。3日間の駆動。こういうのでいいのだよ、こういうので。

リュウズは手巻き用に大きめ

手巻きのしやすさを考慮して大きめのリュウズを採用。この巻具合がまた、何とも気持ち良いのですが、これは実物を触んなきゃ。

ブレスがまた

ちょっとビンテージ風のブレスでおしゃれ心をくすぐります。さらに装用感は上等です。また革バンドに変えても良いかも。

nakaishu.hatenablog.com

ドーム型サファイアガラス

この感じも、昔ながらの時計を彷彿させてくれます。

シースルーバック

完璧ですね。

これだけ完璧な機械式で、お値段はなんと50万。手巻きとは云え、日付がないので面倒な操作はありません。一本目の機械式時計としてもおすすめできます。 

GRAND SEIKO

グランドセイコー

SBGW235

500,000円+税

商品についてなど詳しくは、 

担当 たくお  まで

お問い合わせフォームはこちら

電話 0857-23-5221

株式会社 中井脩

鳥取市栄町623番地

ご連絡お待ちしています。

何と!

nakaishu.hatenablog.com

手巻きのグランドセイコーならこちらはいかがでしょう?

nakaishu.hatenablog.com

 

 

”しとやかに重たい沈黙と優しさが

見開いた目と その目を繋いでいた

あなたは少し笑った”

木村以外の二人と目が合い、お互い小さくうなずく。さぞ、ぎこちない笑顔だったろう、その時、私は少し笑ったのだ。

「すみません。お愛想」とカウンターに声をかけようとした時、木村が

「おかわり!・・・よっちゃん」

と大きな声を上げる。そして私の方を見ると

「よっちゃんって呼んじゃった」

こいつも少し笑うのだ。

いや、笑うな馬鹿。私はもう、お家に帰りたいのだ。

テンションマックスの木村は、我々の動揺になど気づくはずがなく、まだここに居座るつもりだ。するとハゲの二人組はカウンターに場所を決めたらしい。

ああ、迷惑だ。来るな。

そんなカウンターの客たちの心の声が聞こえる。

帰ろう。

が、急に立ち上がるわけにもいかないんだよなあ、こんな時は。こういう時こそ腕時計をしているべきなのだ。腕を上げてちらっと時間を確認する素振りがなんとなく、こうした

”しとやかに重たい"

状況の免罪符になって「そういうことですのでじゃあ失礼します」的な軟らしい間接表現の効果をもたらすわけである。一方、スマホで時間を確認するふりをする場合、自分が「時間」を確認していることが相手やその全体の雰囲気の中で伝わらない。周りのみんなにスマホを掲げ

「見て見て、ほら、こんな時間」

というわけにはいかないだろう。

スマホを覗きながら「うわ、こんな時間」などと言葉を発しなければならないのだ。それじゃあ、雰囲気に対しての奥ゆかしさというものがない。実際、あのカウンターに座る若者がスマホを見ながら、いきなり「やべっ! もうこんな時間!」と呟いたら、大きなハゲがちっと大きな舌打をした。場は一気に硬直する。

そんな時である。

"ここは面会室 仙人掌はまだ未だ咲かない 硝子は崩れない"

「この歌って、刑務所の話なんですかね?」

その場の雰囲気にあった話をさせたら木村みのるの左に出る人間はいまい。

「だって、手を重ねた間にガラスが一枚。そんな面会室とか。刑務所だな、こりゃあ。行ったことないけど、僕は」

もうこの場の体感温度は臨界点に達しようとしている。

「行ったことある人、手を挙げてー? とか。ふふふ」

「はーい」

"しとやかに重たい沈黙"

をいとも簡単に破った高音の、大きな笑い声とともに手を挙げてカウンターの奥から出てきたその大男こそ、バー「牛海」のマスター、おかピーことオカマのピーちゃんだった。

「皆様、お疲れ様でございまーす」

カウンター席の客、私達に笑顔で挨拶をして回りカウンターの向こう側に戻ったおかピーは、ハゲ二人に向かう。1000円カットで挑戦した2ブロックは見事に失敗したらしく、自棄になってショートにして染めた金髪があの世紀末覇者ラオウのようである。

「いらっしゃいませ」

先ほどとは打って変わった低い声でハゲ二人に挨拶をする。眉間に刻まれた深い皺からは何か今にも血がほとばしり出そうだ。と、さらに一変、顔をクシャッとさせて

「お客様、こちらの席は予約が入っております。大変申し訳ございませんが、あちらの席に移っていただくわけにはいきませんでしょうか?」

そう云って、木村みのるがいつも案内されるという奥まった席を指し示す。

”あなたを見つめ あなたに見つめられ”

重たい沈黙が再来する。

が、私としてはもう安心である。おかピーは多分、適切に処理するだろう。

しかし、やはりあの奥まった席は厄介な客を追いやる席だったのだ。当の厄介者、木村を見ると、仔細らしく状況を見守っている。

「でなければ・・」

長い沈黙を破るのを露も厭わないおかピーが続けようとすると、小さなハゲが立ち上がり奥まった席に向かった。

「ありがとうございます」

後を追う大きなハゲに向かって、深々とお辞儀をすると

「そちらはVIP様専用の席でござます。本日はドリンクを一杯サービスいたします」

「VIP席」に着いた二人に大きな声を掛ける。

”Oh サンタマリア 何も言わないさ

惑うだけの言葉で満たすくらいならば

Oh 様々な幸せを砕いて

祈り疲れ 漸くあなたに 会えたのだから”

そして、バー「牛海」にはいつもの雰囲気が蘇り、漸く、私達の耳には音楽が聞こえ出した。

"一緒にいこう あの光の方へ

手をつなごう 意味なんか無くたって"

「ふーっ。じゃあ、帰ろうか」

と荷物をまとめる我々三人に、木村みのるは得意そうだ。

「常連の僕はまだ残ります。やっぱり、あそこはVIP席だったんだ。ああ、よかった、VIPで。よっちゃん・・さーん。ハニーコムをおかわり」

我々に向かって、親指を立ててみせる。ああ、良かったではないか、木村。私は残念だ。君と飲みに来ることはしばらくなさそうだ。

ふー、いろんな意味で、今回は疲れたよ。

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*1:””内はすべて、米津玄師『サンタマリア』から引用。